天野裕吉 著 「成長から成熟へ さよなら経済大国」

天野裕吉 著 「成長から成熟へ さよなら経済大国」2013 集英社 740円+税

「世界は歪んでいる」というプロローグで始まり、エピローグ「新しい時代への旅」へと続く217項の新書本です。

あれから50年。2014年には、1964年に開かれた東京オリンピックから50年の節目にあたる。あの日、10月10日(日)開会式の模様を一目観ようと集まった教職員、学生と一緒に宿直室のテレビの前に座っていた。青春時代の真っ只中、“60年安保闘争”“日本列島改造論”が日本国中に吹き荒れ、“高度経済成長”へと繋がり、“新幹線開通”、“大阪万博開催”…と、リアル・タイムで体感していた。

この頃、フッと頭をよぎる思いがある。『自分の青春時代ってどうだった?』この本に出会い、読み進めるうちにその時々の自分が思い出され、少しづつではあるがある種、心の整理につながっているように思う。当時(青春時代)は、自分にはあまり縁がない世界と、どちらかというと斜めに構えて見ていた広告業界。

「プロローグ」「第一章 計画的廃品化のうらおもて」「第二章 差異化の行くつかの果てに」「第三章 生活大国ってどこですか」「エピローグ」「あとがき」からなる構成の前編で、「これは60年間、広告という窓から世の中をのぞいてきたぼくの私的な日記みたいなものです。」と、温かくも鋭い視線で同時代を批評してきたコラムニストがつぶやくように語りかけます。

私自身の人生のランディングについても思いを馳せてしまう、そのような内容の本です。

 

成長から成熟へ さよなら経済大国 (集英社新書)
成長から成熟へ さよなら経済大国 (集英社新書) 天野 祐吉

集英社 2013-11-15
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