清水將之著 NHKブックス〔774〕思春期のこころ

清水將之著 NHKブックス〔774〕思春期のこころ 2011年 NHK出版 870円+税

センターへ通って来る児童生徒と過ごすうちもう一度読みたくなった本の一冊です。10年前講演を聴きに行き購入しました。

「思春期という危機」

思春期は子どもから大人に向かう不安定な年頃。この時期、生じやすいこころの揺れや病…不登校、拒食、非行、対人恐怖症、うつ、いじめ等々。その原因や背景は何か。家族や学校、今日の風潮についてはどこに問題があるのか。親や教師、医師の対応の原則とは何か。30年余、思春期医療に関わってきた経験を土台にケースごと事例をあげて書かれてあります。

専門家に書くのではないので、軽い気分で読者の皆様に語りかけてみたい。と書かれてあるように本当に読みやすく、「そうそう」と思えるような事例もあります。ケースの中で思春期とうつ病の一説ですが…「大人なら悲しいことがあってうつの気分に襲われるのは、ごく当たり前の事である。しかし、うつはなかなか高等な感情で、これを感じ取るためにはそれなりにこころの成長を必要とする。(中略)うつが仮面をつけて体や行動に滲みでてくるのであろう」。ははぁ、そうなんだと納得がいくからおもしろいのです。読んでみて下さい。

 

思春期のこころ (NHKブックス)
思春期のこころ (NHKブックス) 清水 将之

日本放送出版協会 1996-07
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